平成30年度介護労働実態調査が公開されました

公益財団法人介護労働安定センターが行った、平成30年度介護労働実態調査の結果が公表されています。

資料によると人手不足であると感じている介護事業所は67.2%に及び、年々増加傾向にあります。
また60歳以上の介護労働者の割合は21.6%で、同じく年々増加傾向がみられます。

介護労働者不足感の推移
60歳以上の介護労働者の割合

これらの指標と合わせて、外国人労働者の受入状況とその予定も集計されています。
現在すでに外国人介護労働者を「受け入れている」という事業所は全体の2.6%にとどまりますが、「今後活用する予定がある」と回答した事業所は13.3%にのぼります。

またすでに外国人労働者と一緒に働いている事業所では「業務が軽減される」「職場に活気が出る」という意見が多かったのは当然かと思われますが、「利用者が喜んでいる」という意見の割合が外国人労働者がいない事業所と比べて2倍以上であるというのは興味深く、受け入れた事業所が実際に感じたポジティブな印象のようです。
一方で外国人労働者と働くことに対しての不安感についても、外国人労働者が一緒に働いている事業所のほうがそうでない事業所とくらべて低いことが見て取れます。
これを見る限りではコミュニケーションに対する不安感は思うほどでもないと考えることができますが、唯一の例外として「できる仕事に限りがある(介護記録、電話等)」という点においては、外国人労働者と一緒に働いている事業所のほうが不安感が大きくなっています。

外国人労働者と一緒に働くことについて

外国人介護労働者の受入を検討されている場合には、これらの結果は判断材料となるひとつの結果と思われます。上記の結果は在留資格「特定技能」が制定される前の調査ですので、雇用までのプロセスが従来の在留資格と比べて比較的シンプルな特定技能を検討に入れた場合の受入予定事業所は、この調査数値よりも大きくなるかもしれません。

※本文中のグラフ等資料は、公益財団法人介護労働安定センターより令和元年8月9日に公表された「平成30年度介護労働実態調査結果」より引用しています。